薄毛を根本的に治療する自毛植毛ってどんなもの?
AGA診療でもすすめられている治療方法・自毛植毛
自分の髪を使った植毛法の誕生
男性の髪の毛というのは生え際と頭頂部が薄毛に成りやすい傾向にありますが、これは男性ホルモンとその受容体であるアンドロゲンレセプターの量に影響されているものです。男性ホルモンは髪が生えている毛根付近にある皮脂腺から分泌されている5αリダクターゼと呼ばれる活性酵素と結びつくことでDHTに変性してしまいます。
このDHTが毛乳頭細胞の中にあるレセプターと結合してしまうことで育毛が阻まれてしまい、抜け毛が促進してしまうのです。 このレセプターですが、側頭部や後頭部には存在していません。そのためAGAの症状が表れても該当部分は薄毛になりにくく髪が残りやすい傾向にあります。
よくAGAで見られるいわゆるM字禿げ、U字禿げの症状の場合でも、やはり側頭部や後頭部には髪の毛が残っていることからもわかりやすいでしょう。こうした側頭部と後頭部の髪の毛の性質に目をつけ、自身のその部位の髪を頭皮ごと採取して薄毛になってしまった部分に移植をする方法が誕生しました。
それが自毛植毛です。 自毛植毛された髪の毛は、定着させることにより自身の髪の毛として成長し続けます。なおかつレセプターを持っていない抜けにくい性質はそのまま保たれていますから、その後は薄毛になる心配はほとんどなくヘアサイクルを繰り返して行くことになるのです。
複数種類ある自毛植毛
自分の頭皮を採取して植え付けるという自毛植毛には複数の方法があり、クリニックによっても採用している手術方法が異なります。 現在日本で主流となっているのが
- FUT法
- FUE法
の2つです。 FUT法は一つの毛包から束になって生えている髪の毛をメスによって帯状に切り取り、それを株分けして薄毛の部分に植え込んでいく方法です。毛包単位で切り取り植えつけることで、定着率も発毛率も上がりますし髪の生えかたも非常に自然です。
一方のFUE法はメスを使用しない植毛方法で、直径が1mmにも満たないパンチを使って頭皮をくり抜いていきます。採取後に株分けする必要がなく、採取したものを新鮮なまま直接患部に埋め込むことが可能です。
自毛植毛で知っておきたいメリット・デメリット
自毛植毛手術を受けるメリット
- 効果が確実
自毛植毛は高い成功率を誇っています。ミノキシジル、フィナステリドといった処方薬を使った治療法は効果の表れかたに個人差があり、費用をかけて行っても成功するとは限りません。ですが、自身の髪を直接移植をする自毛植毛は効果に個人差が見られず、誰に対しても高い確率でもって髪の毛の量を増やせるというメリットがあります。
- 植毛したとはわかりにくい
自分の髪を利用した植毛ですから、定着をすれば他の部位の髪の毛と大差なく自然な状態で生え続けます。施術をした後に経年と共にその部位だけ不自然に浮いてしまうということがありません。他の部位に白髪が増えれば同じように移植した部分も白髪になります。
- 副作用の心配があまりない
自毛植毛は免疫反応が起こる心配がないところが安心です。施術直後は痒みを生じたり一時的な周辺の部位の抜け毛が増えるような症状が表れますが、術後しばらくの間に見られるのみで深刻な副作用が起こることはほぼありません。
- メンテナンスがいらない
植毛をすれば、あとは通常通りのヘアケアをするだけ特別メンテナンスを必要としません。薬による治療は継続して行う必要がありますが、自毛植毛はその後の診療費用や薬の費用を気にしなくても大丈夫です。
自毛植毛で気をつけたいデメリット
- 高い費用がかかる
保険が利かないため自毛植毛は全て自費診療となります。植毛をする量にもよりますが、手術を完了するまでには100万円程度かそれ以上は見込んでおかなければなりません。
- 移植できる本数に制限がある
当然ですが、自分の後頭部や側頭部から頭皮を採取するため、一度に移植できる量には制限が出てきます。何回かに分けて計画的に手術をしていかなければなりません。
- 傷痕が残る
FUT法の場合にはメスで切り取った痕が、FUE法の場合にはパンチで空けた細かい穴が頭皮に残ります。ただ、髪を伸ばせば目立たなくなります。
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